ときどきこちらの期待をはるかに上回る展覧会に出会う。
今回出会ったのは、三菱一号館美術館で4月6日(金)からはじまった「KATAGAMI Style — 世界が恋した日本のデザイン」展。
わりとこういう渋め(と言っては失礼か)の展覧会が好きということもあったし、内覧会の案内FAXもいただいたのでノコノコ出かけて見た。
最初の展示室に入ると江戸時代の武士(あるいは明治時代の上流階級?)が着たであろう裃(かみしも)が数点展示されており、「おやおや、これは場違いな所へ来てしまったかな」と一瞬不安がよぎったのだが、それが早合点であることにはすぐに気づかされた。
声を大にして言うがこの展覧会は
「グラフィック・デザインやwebデザイン、その他創作に携わる人」
必見である。
もちろんその類いの仕事に何ら関係ない人でも十分に楽しめるし、お薦めであることは言うまでもない。
展覧会の主役を務めるのは布を染め込むために江戸時代に盛んに使われていた「型紙」である。
展覧会は日本では布を染めるためだけに使われていたその「型紙」が、海外の芸術家や工芸家などによってさまざまなもののデザインに見事に生かされていることがよくわかるように構成されている。
型紙自体のデザインが実に多様であることやその面白さもさることながら、その型紙デザインを実に多様なものに生かし、昇華させていった欧米各国アーティストの発想の豊かさが見どころである。
それにしても型紙をおそらく二束三文で海外へ大量流出させてしまった当時の日本の関係者は、いったい何をやっていたのだろうか。
展覧会についての詳細はこちらをご覧ください。
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