2011年12月15日木曜日

これは必見!「没後150年 歌川国芳展」

大阪、静岡と巡回してきて17日(土)から森アーツセンターギャラリーではじまる「没後150年 歌川国芳展」を見てきた。





この展覧会は必見である。


国芳の作品は数枚ずつなら横浜美術館などでときどき見ていたし、有名な作品はテレビの美術番組でも紹介されたりしているから「面白い絵師だなぁ」と思っていたが……。

200点(前後期合わせると約400点展示されるらしい)もの作品が一気に展示されていてもまったく飽きない面白さ、想像力の豊かさ、巧みな表現に、改めて驚かされてしまった。


「没後150年 歌川国芳展」公式サイトはこちら


ついでに、森美術館で開催している「メタボリズムの未来都市展」も気になっていたので見てきた。これも別の意味でいい展覧会だった。






国芳を見に行ったら、ついでに見ることを強くお勧めする。


「メタボリズムの未来都市展」公式サイトはこちら


ここのところあまりいい展覧会に当たらずガックリきていたので今日は非常に気分がいい。



2011年12月6日火曜日

下山静香PIANOライブ2011 ラテンアメリカに魅せられてVol.3(2011. 12. 2 Fri)


ラテンアメリカのクラシック音楽(しかもピアノソロ)と聞いて、皆さんはどんな音楽をイメージするでしょうか? 
ラテン音楽と言えばタンゴ、サンバ、ルンバ、レゲエなどなど、比較的リズミカルでアップテンポなものがまず頭に浮かぶという人が多いでしょう。
私もクラシックとは言えラテンアメリカの作曲家による曲の演奏会と聞いて、軽快で明るい曲調のものが多いのだろうと想像していました。
プログラムによると演奏されるのは、ベネズエラ、パラグアイ、そしてブラジルの音楽。なんだかその国の名を聞くだけで、楽しそうな音楽が聞こえてきそうな気がするではないですか。
しかし実際に、演奏が始まってびっくり。非常に美しい旋律を持つ曲が多く、いつしか聴き入ってしまうほどでした。「ラテンアメリカ音楽がここまでしっとりと聴かせるのか」という感じ。
コンサートをプロデュースした竹村淳氏によると、なんでも「ラテンアメリカはクラシック音楽の秘められた宝庫である(コンサートパンフより抜粋)」ということです。
確かに実際に演奏を聴いたいまは……納得です。
特に個人的にはパラグアイのアグスティン・バリオス(今回演奏されたバリオスの曲はもともとはギター曲らしいのですがもちろんそんなことは全然気になりません)とブラジルのナザレーの曲がとても気に入りました。下山さんによると来年、再来年あたりにCD化するかもしれないということなので期待したいと思います。


コンサートは1部と2部に分かれていて、間の休憩後にコントラバスの小川誠さんをゲストに迎えて2曲ほどセッション。これも小川さんの個性溢れる演奏が楽しめました。
まぁ上記のような感じで、コンサート自体の質は高く、満足のいくものだったわけですが、興行的には成功とは言えないようです。
どこの国でも多少はあると思うのですが日本の場合は特に、演奏会でも展覧会でもなんでも、著名な人が関係していたり、何かで評判になったものには多くの人が集まるけれども、そういうことがなくただ単に質が高いというだけでは人が集まりにくい傾向が強いように思います。
残念なことです。
とは言え、今回聴きに来た人たちの反応がすこぶる良かったので、来年もこの「ラテンアメリカに魅せられて」のシリーズは継続するということです(たぶん来年後半)。
ご興味のある方は、ぜひ、下山静香さんのオフィシャルサイトをチェックしてみてください。下山さんは精力的に演奏会を開いていて、安定して質の高い演奏を聴かせてくれるのでそのほかの演奏会もお薦めです。

【今回の演奏曲目】
第1部 独立200年のベネズエラ/パラグアイによせて
ベネズエラ・ワルツ集
・ブラント/Augusto Brandt
      :故郷の思い出/Recuerdos de mi tierra
・フォルメル/Federico Vollmer
      :疑惑/Una duda
・パラシオス/Ramon Delgado Paracios
      :彼女の優しい顔/La dulzura de su rostro
パラグアイの奇跡アグスティン・バリオス‘マンゴレ’名曲集
・Agustin Barrios 'Mangoré'(Carlos Payes/下山静香編)
      :春のワルツ/Vals de la primavera
      :ワルツ第3番/Vals op.8-3
      :みつばち/Las abejas
      :フリア・フロリダ/Julia Florida
      :パラグアイ舞曲/Danza paraguaya
休憩
ゲスト=小川誠とともに
・ピシンギーニャ/Pixinguinha
      :カリニョーゾ/Carinhoso
・ピアソラ/Astor Piazzolla
      :リベルタンゴ/Libertango
第2部 ブラジルのときめき
・ニャタリ/Radamés Gnattali
      :カニョート/Canhot
      :ヴァイドーザ/Vaidosa No.1
・ナザレー/Ernesto Nazareth
      :ブレジェイロ/Brejeiro
      :カリオカ/Carioca
      :フォン・フォン/Fon-fon
      :打ち明け/Confidȇncias
・ヴィラ=ロボス/Heitor Villa-Lobos
      :白いインディオの踊り/Dansa do indjo branco
アンコール(アンコールは下山さんが最も得意とするスペイン音楽から)
・イサーク・アルベニス/Isaac Albeniz
      :コルドバ/Córdoba